飼い主さん達は、これまでに愛犬が嘔吐して原因が分からず困ったと言う経験はありませんか?
私はこれまでに5頭飼ったことがあるのですが、4頭とも嘔吐したことがありました。
幸い病院へ行くほどの症状ではなかったのですが、大丈夫だと安心していると大変なことになる場合もあります。
そこで今回は、ワンちゃんが嘔吐した時の状況とその対処法について紹介致します。
今後のためにも、よーく覚えておいて下さいね。
嘔吐した時の状況
・車に乗せて出かけようとしたとき
これは言うまでもなく、乗り物酔いです。
しかし乗り物酔いと言っても、車が走行している時もあれば、走行して間もない時もあります。
●原 因
犬は平衡感覚がないので走行中の場合は、車の動きに脳と体がついて行けず嘔吐をします。
走行して間もない場合は、いつもと違う場所で緊張している上に、車が(自分が自動的に)動き出したのが原因です。
我が家のパピヨンがまだ幼犬の頃、一緒に出掛ける際にまず乗り物酔いを買いに行こうと出発させてすぐに嘔吐したことがありました。
とても怖くて緊張していたのでしょうね。
●対処法
まずは車に乗せる直前は、食事を与えないほうがいいでしょう。
与えるとしても2時間前や、いつもの量よりも少なくするといいですね。
胃が消化の為に動いている上に、車の揺れも加わるので、どうしても嘔吐しやすくなるのです、
ホームセンターなどに乗り物酔いの薬がありますが、効くとは限らないので、薬には頼らないほうがいいです。
また、同乗者がいる場合で超小型犬の場合は、膝の上に乗せると嘔吐はかなり防げます。
下からの振動を防げますし、曲がり角に差し掛かった時も揺れをあまり感じさせなく出来るのでちょっとした対策になります。
要するに、チャイルドシートに近いものですね。
・散歩中に草を食べて嘔吐する
草を食べて嘔吐した時は大概その前に草がいっぱい生えている公園や河川敷に行きませんでしたか?
これは誤飲や誤食ではないのです。
●原 因
これは胃酸過多が原因で胸やけを起こしているのです。
いつもより多くフードを与えたり、フードとおやつの組み合わせがたまたま悪かった。
その他色々考えられますが、食べたものがうまく消化されず胃の中に残っているので、それを出そうと草を食べるのです。
●対処法
嘔吐を止めさせると、いつまでも胸やけが続くので、落ち着くまで見守りましょう。
1、2度で終わり、その後は元気であれば問題ありません。
しかし何度も嘔吐し、草も出てこない状態や更に元気がなくなるのであれば、動物病院に連れて行きましょう。
[動物用医薬品]ペット用包装漢方薬 漢方生薬17種類配合 新中森獣医散[Z]造粒散剤(水に馴染みやすい剤型)50g入
・特に心当たりがないのに嘔吐した
いつも通り散歩に行き、いつも通りに食事をした。
特にぐったりしている訳ではない。
これは体調不良や風邪の場合があります。
●原 因
風邪の原因ははっきりと分かりません。
人間も同じだと思うのですが「何か寒気がする」「何かダルい」それで医者へ行くと風邪だと診断される。
犬の場合は、寒さや抵抗力がない時に何かの菌が体内に入ったと言うのが一番考えられる原因です。
●対処法
風邪だと安易に決めては危険なので、まず少しでも元気があるのであれば、フードをいつもより少なめにし、ドライフードの場合は柔らかくして胃にかかる負担を少なくしてあげましょう。
これでしばらく様子をみて、少しずつでも元の食欲や元気が出てきたら安心です。
しかしその後も嘔吐を繰り返し、元気がないようでしたら動物病院へ連れて行きましょう。
また、人間用・小児用の風邪薬は絶対に与えないで下さいね。
我が家にいたビーグルも特に変わったことはなかったのに、夜、嘔吐したことがありました。
冬だったのもあり、勝手に風邪だと思い込み、柔かいフードに変えたりそれでも食べようとしない時には、バナナを薄く切って、手の平に乗せて与えました。
そうすると、翌日から少しずつではありますが、元気になり食欲も戻りました。
白い液体若しくは黄色っぽい液体を嘔吐している
嘔吐物がほとんど液体だったり、わずかな固形物が見られます。
この嘔吐は食事からかなり時間がたった時に起こる嘔吐です。
●原 因
これは空腹で胃液が逆流したと考えられます。
ですので、固形物は殆どありません。
ただ、まれに消化しきれない固形物が見られることがあるので、何が消化されていないか見ておくことも大切です。
●対処法
体内から水分が抜けている状態なので、お水をあげましょう。
それでいつも通りの元気があれば大丈夫ですが、食欲がなくなったり元気がない場合はほかの原因が考えられますので、動物病院へ連れて行きましょう。
嘔吐した時に確認すべきこと
ひとまず安心だと言う状況で共通していることは「それなりに元気はある」「食欲はある」「繰り返し嘔吐はしない」ですね。
何事も初期症状であればいいのですが、もし異常が見られたらすぐに動物病院へ行きましょう。
その前に、食欲がない場合は好物を少し与えてみましょう。
この、好物に対する反応を目安にするといいかもしれません。
まったく反応しないようであれば、急いで動物病院へ行った方がいいです。
この様な嘔吐は要注意⇒動物病院へ
※嘔吐した後、食欲がない
嘔吐をした後、ちょっとした疲労と「この状態ってなに?」と言うビックリ感でしばらく元気がないかもしれません。
しかし、いつまでたっても元気がなく食欲もないのであれば、何か病気が原因かもしれません。
※1、2度だけではなく、何度も嘔吐をする
草などを食べた時は1度では吐き切れない時もあるので、2度嘔吐することもあるでしょう。
しかし、何度も繰り返す場合は要注意です。
もしかしたら異物を飲み込み、違和感を感じてスッキリするまで何度も嘔吐することもあります。
また飼い主さん達では診断できない、中毒、感染症の可能性があります。
※嘔吐物に食べ物以外の異物、プラスチック片が混じっている
これも要注意です。
異物の中でもプラスチック片はとても危険です。
角があるので、胃壁を傷つけるだけでなく、そのまま食べ物と一緒に腸を通ればプラスチック片が腸壁も傷つけます。
そうなると開口手術になりかねませんので、嘔吐物をよく見てみましょう。
※嘔吐物に血が混じっている
ほんの少量の血であれば、胃腸にちょっとした腫瘍がある可能性があります。
しかし血の量が多い場合は、大きな腫瘍や潰瘍の疑いがあります。
鮮明な血の色だけではなく、血が茶色くなっている場合もありますので、色と固形物がないかも見ておいて、獣医さんに相談しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
嘔吐には大きく分けて、①犬の性質(平衡感覚や草を食べて胸やけを治す)、②その時の体調の問題、③内臓の問題があります。
これらは昔と比べてフードやおやつの種類が増えてきて、それに使われている原材料や保存料なども影響していると言えます。
ですので内臓系の問題を少しでも減らすのであれば、おやつはあまり与えすぎないようにしましょう。
そして
①犬の周りに誤飲すると危険な物を置かない
②犬の居場所の温度管理をし、体調管理をしてあげる
③フードやおやつの質と量を見直す
④定期的に動物病院へ行き、健康診断をしてもらう
この4つは覚えていて下さいね。
そうすれば嘔吐をすることは殆どなくなり、健康で長生きしてくれると思います。