ひと昔と比べて犬を飼っている家庭が増えたように感じますが、その割には鳴き声を聞かなくなったような気がします。
室内犬が増えたこともありますが、それでも散歩の時は相性が悪いのか吠えあったりする犬を時々見かけます。
人間にとっては何を言ってるのかと時々不思議になりますね。
しかしこの鳴き声は犬ならではのメッセージが込められているのです。
そこで今回は犬の吠え方とそこに込められたメッセージを紹介致します。
取り違えることがあるので、よーくワンちゃんを観察して下さいね。
鳴き方、吠え方で分かるメッセージ
犬の鳴き方・吠え方にも色々あり、トーンの違いやワンワンと繰り返す回数、ワ~ンと伸ばす長さ、これらの組み合わせによってメッセージが違ってきます。
それでは順番に見て行きましょう。
・鳴き声の高低
・高い声=嬉しい時の声です。飼い主さんが帰宅した時にはこの鳴き声です。
高い声で短く鳴く場合は、感情が高ぶった時の声です。
高い鳴き声が「キャン」だった時は、瞬間的に痛みを感じた時が挙げられます。
・低い声=警戒心や敵意を表す声であり、どちらかと言うと気分がそぐわない時の吠え方です。「ワン!」とか「ウ~」って感じですね。
他の犬や見知らぬ人が近寄ってくると唸るような低い声で鳴きます。
・吠える回数
・低い声で1回だけ=要求の意味。自分に注意を払って欲しい時。
・高い声で1回だけ=瞬間的な痛みを感じたとき。「キャン」ですね。
間違って尻尾や足を踏みそうになった時にこのような声で鳴きます。
・数回程度=テンションが上がっている証拠です。
警戒心もなくごく自然な思いです。
・連続して鳴く=警戒心や恐怖心の表れで、散歩中に他の犬に吠えるのも連続して鳴きますし、呼び鈴に反応して吠える時も警戒して連続して鳴きます。
・ワンワンではなくキャンキャンと繰り返して鳴く=瞬間的な痛みではなく継続な痛み、病気やケガである部分に痛みを持っている時に鳴きます。
この様な鳴き声を発している場合は獣医さんに診てもらうほうがいいです。
・鳴き声の長さ
・長く低い声で「ウ~」=威嚇や警戒心を表します。
これも散歩中に他の犬と出くわした時に鳴く声ですね。
・短く高くも低くもない「ワンッ」=飼い主さんや人に対しての場合は特別な感情はなく、「やあ!」と言う様な挨拶と解釈して下さい。
しかし犬同士の場合は、挨拶だけではなく警戒心の意味も含まれていますので、犬同士の関係性で判断しましょう。
・高くて長い=ご飯が欲しい~、遊んで~等のように甘えたい時の鳴き声です。
高く鳴く時の中には「遠吠え」もあります。
この鳴き声は人間に例えるとウラ声に近い状態ですね。
この遠吠えは寂しさを表します。
我が家にいるトイプードルも私がいつもと違う時間に帰宅すると遠吠えをしていたことがありました。
また、寂しさの他にサイレンの音に合わせて遠吠えをする犬もいますが、これは他の犬の鳴き声と似ているので、他の仲間に寂しさを伝えていると言われています。
声の高低・回数・長さの組み合わせで犬のメッセージが分かるわけです。
ところが鳴き声だけではなく、尻尾も連動しているのを知っていましたか?
嬉しいことがあると犬は尻尾を振りますよね。
とても嬉しい時は早送りで振っていますよね。
それでは次の章では鳴き声と連動して尻尾に現れる犬のメッセージを紹介致します。
尻尾で分かるメッセージ
・上に向かって立っている
これは緊張を現します。
とは言ってもドキドキハラハラの緊張ではなく、立っている尻尾のように背筋を伸ばしてシャキッとしている時の緊張感です。
・下がっている
これはリラックス状態を現します。
穏やかな状態でいるので、尻尾もフラットな状態なのだと言えます。
但し下がっていても、足の間に入り込んでいるのは恐怖やびくびくを表します。
「尻尾を巻いて逃げて行った」この言葉通り、逃げたい状況の時です。
・左右に振る
・ゆっくり振る
警戒を現します。
散歩中に他の犬と出くわした時、すぐに吠えるのではなく様子を見ながら尻尾をゆっくり振っているのを見たことはありませんか?
一見喜んでいるようですが、これは威嚇しようかそれとも相手にせずに去っていこうかと考えている時なのです。
喜んでいると勘違いをして「お友達になろう」と近づけるとケンカになる可能性があるので気をつけましょう。
・小刻みに振る
これも興奮を現すのですが怒りと言うよりも嬉しい時の興奮に近い状態です。
飼い主さんが帰宅をした時に出迎えてくれたワンちゃんはブンブン尻尾を振っていませんか?
こういう時はドキドキ・ワクワクな気分なのです。
さらに鳴き声と尻尾だけではなく耳の動きも連動しているのです。
耳の動きで分かるメッセージ
・急に外側に向かって動く
要するにピクッとする動きですね。
この動きは特別な感情はないのですが、突然気になる音が聞こえた時に動かします。
「えっ何?この音」と言う時が最も分かりやすい状況です。
・立っている
ハスキー犬などのようにピーンと立っている状況で、物・人に興味を示していて気になっている状態です。
急に気になる音で耳が外側に向いた後、更に気になった時は耳を立てたまま様子を伺っている状況です。
ゴールデンレトリバー等のように垂れ耳の場合は耳のつけ根が中央に寄ります。
・下げている
まずは恐怖や不安な時は下げています。
降参と言う表現が最も近いのですが、他の犬に対して耳を下げている時は「ボクは喧嘩をするつもりはありません」と言う気持ちです。
相手が飼い主さんの場合は、「ねえ~遊んで~」と言う甘えている感情です。
では犬の喜怒哀楽の感情に対して飼い主さんはどう対処すればいいのでしょうか?
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メッセージへの対処法
・警戒心・威嚇
来客の場合は歓迎の場合も考えられますが、殆どの場合は警戒心でしょう。
インターホンが鳴った時は慌てず、落ち着いて何事もなかったかのようにゆっくりと歩いていきます。
するとワンちゃんは「音が鳴っただけ?」と思います。
一度では無理なので、これを繰り返しましょう。
また他の犬に対する威嚇の場合は止めさせるのが一番ですが、その前に止める指示を与えた時には従うようにと教えておきましょう。
警戒心の場合は警戒する対象物から気をそらすように、名前を呼んだりするなど興奮を抑える言葉をかけましょう
・喜 び
飼い主さんが帰って来たときはものすごいテンションで喜びますよね。
そのような表現は飼い主さんも嬉しいとは思うのですが、一緒に喜ぶと犬はこの表現をすれば飼い主さんはさらに喜んでくれると思い、どんどんエスカレートしかねません。
ですので飼い主さんが帰宅して犬のテンションが高かった時は、落ち着くまで放っておきます。
落ち着いたところで普段通りに話しかけましょう。
・寂しさ
寂しい状況と言うのはお留守番、分離不安が考えられます。
このように1頭だけで過ごす時間が長い場合は、外出前に散歩に連れて行ってあげたり、散歩に行けない日は一緒に遊んであげると、疲れてお昼寝をしてしまうので寂しがる時間が減ると言うことです。
・甘 え・要求
抱っこしてほしい、散歩に行きたい、戸棚からいい匂いがするからちょうだい等です。
この原因は飼い主さんの行動です。
ワンちゃんも賢いので、自分にとってのメリットはすぐに覚えるのですが、イヤなことはすぐ忘れるのです。
吠えたからと言ってすぐに要求を受け入れるのはやめましょう。
要求を受け入れてしまうと、吠えれば飼い主さんは言う事を聞いてくれると思い、いつまでも吠え続けます。
これは知らん顔をするのが一番です。
要求をしている事柄から気をそらして、興奮を抑えましょう。
興奮がおさまって暫くしてからお座りをさせ、ちゃんとお座りができた時に要求を受け入れれば、犬はお座りをしてお利口にすれば飼い主さんは要求を受け入れてくれるんだと憶えます。
・夜鳴き
仔犬の場合は寂しかったり、心細かったりしている場合です。
高齢犬の場合は、認知症の症状と考えられます。
仔犬の場合は自立心が芽生えるまでは夜鳴きは続くと思います。
また幼犬の場合は、若くて力が有り余っているのでよく眠れないのです。
この様な場合は日中にいっぱい遊んだり散歩をしてあげましょう。
そうすればぐっすり寝てくれます。
高齢犬は日頃から獣医さんに診てもらっている場合は、獣医さんの指示に従いましょう。
診てもらったことのない場合は、一度相談してみましょう。
効果のない対処法
・無駄吠えグッズ
ワンちゃんが吠えると首輪から超音波が流れるものです。
ワンちゃんにとっては不快なものらしいのですが、微量なので慣れてくると効果がなくなります。
・大きな音
吠えたら空き缶を床に投げつけたり手を叩くのが効果的だと言われています。
この行為によって興奮を抑えたり、気をそらさせると言う効果があると言うのですが、これも慣れると効果がなくなります。
でももし大きな音によって警戒していることを忘れ、吠えるのを止めた時はすかさず褒めてあげましょう。
・高い声で叱る
高い声で叱るとワンちゃんは一緒に警戒してくれていると勘違いをします。
叱る時低い声で、短い言葉で、伝えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
どんなワンちゃんにも気質や性格の違いはあります。
また吠え方だけではなく、尻尾や耳の動きも関係していうので、見分けるのは難しいかもしれません。
ですのでマニュアルどおりに対処しても解決はしません。
ワンちゃんの日頃の行動を観察しながら、根気よく対処していくのが一番の近道だと思います。
そうすれば飼い主さんも安心できますし、ワンちゃんの警戒心や寂しさも軽減されますので一緒に頑張ってみましょう。