お肉は牛・豚・鶏それぞれに特長をもった大切な栄養素が含まれているのです。
蛋白質は魚、卵、豆製品でも摂れますが、肉類でないと摂れないものもありますので、ぜひ知っていただきたいと思います。
肉の代表的な栄養と特長
肉の栄養成分と言えば蛋白質です。
この蛋白質は9つの必須アミノ酸を含んでおり、アミノ酸スコアは植物性蛋白質より優れています。
その他、代表的なものは次のとおりです。
①亜鉛
細胞分裂や蛋白質の合成を促進します。
②ヘム鉄
子供の脳の成長には不可欠なものです。
③ビタミンB1
糖質をエネルギーに変換するのに必要であり、また心身を活性化させ、健康維持を図ります。
④ビタミンB2
動脈硬化を防ぎます。
⑤アラキドン酸
高齢者の味方で、植物には殆ど含まれていないので、肉・魚・卵などから摂取しないといけません。
これが不足すると、認知症、アルツハイマーのリスクが高まります。
⑥血清アルブミン
血液中の蛋白質の約6割を占めていますが、加齢とともに作る力が弱まる傾向にあります。
これも肉・魚などの蛋白質をもとに体内で作られて、摂取量が減ると、血清アルブミンの量も減るので、栄養失調心臓病、脳卒中のリスクを高めます。
⑦トリプトファン
脳内神経伝達物質のセロトニンを作る原料でもあります。
トリプトファンが不足すると、脳内の神経伝達がスムーズに行われず、うつ病になる傾向にあります。
その他、アンチエイジングやがん予防にも効果があると言われる、コエンザイムQ10も含まれています。
次の章では、三大ミート及び話題の肉の栄養効果を、紹介したいと思います。
肉の主な健康効果
《牛 肉》
必須アミノ酸をはじめ、鉄分、ビタミンB12が多く、亜鉛は貧血や風邪予防、味覚障害の改善に効果があります。
《豚 肉》
ビタミンB1がダントツの量で、疲労回復、ストレスの緩和に良いとされています。
また、皮膚や神経を健康に保ってくれるといわれるナイアシンも豊富です。
《鶏 肉》
コラーゲンを多く含みます。肌荒れによいと言われるビタミンAも含んでいますので、正に女性の味方です。
《羊 肉》
老化の予防、目の老化防止にも効果があります。
また、悪玉コレステロールの蓄積を防いでくれるカルニチンも豊富に含まれていますので、成人病を気にしているかたは、ジンギスカンがいいと思います。
《馬 肉》
牛・豚より低カロリーです。しかも、エネルギー源となるグリコーゲン、カルシウムは牛・豚の約3倍も含まれていますので、抵抗なく食べられそうです。
《鯨 肉》
低脂肪、低コレステロール、低カロリーなので、血管の病気やがんの予防に効果があり、EPAやDHAも多く含んでいます。
肉の栄養成分を調べてみると、必須アミノ酸だけではなく、人間が健康な生活を送るのに不可欠な栄養素がたくさん含まれています。
ですので、食べ方を工夫して、ぜひ質のいい肉を食べて頂きたいと思います。