犬の分離不安は孤独感から来るもの。原因を調べて早めの対策をしましょう

現在、我が家にはパピヨンとトイプードルがいます。

実家暮らしの時はパピヨンだけだったのですが、引っ越しをしたら1頭でお留守番はかわいそうだと思い、3年前にトイプードルが仲間入りしました。

我が家に来た時はまだ6か月と言うこともあり、元気だけどちょっと甘えん坊・寂しがり屋かなと言う印象でした。

でも次第に寂しがり屋にしてはちょっと違うな~と感じ、もしかしたら分離不安ではないかと言うことに気づきました。

私が家の外へ出ようとすると慌てて追ってきますし、近所で用事をしていてもトイプードルだけの鳴き声が聞こえてくることがありました。

また、私が外出先から帰った時には遠吠えをしていたことがありました。

ワンちゃんのこのような行動に覚えはありませんか?

もしあるとしたら、分離不安の可能性があります。

では飼い主さんとしてどう対処すればいいのでしょうか?

そこで今回は分離不安の症状と原因、そして対処法を紹介したいと思います。

分離不安とはどんな症状?

分離不安とは言葉どおり、「分離」することに「不安」を感じる症状です。

分離する対象はおもに飼い主さんとその家族です。

その特定の人と離れることに過剰に反応し、不安だけではなく恐怖も覚えてしまう状態になります。

軽度であれば不安分離症と言いいますが、重症化している場合は、「不安分離障害」に該当します。

分離不安の犬は特定の人の姿が見えなくなると、居ても立ってもいられず問題行動を起こしてしまいます。

単なる留守中のイタズラもありますが、このイタズラも分離不安予備軍の可能性があります。

ではどのような行動を起こすのでしょうか?

分離不安と思われる症状や行動

飼い主さんが見えなくなると部屋を荒らす、モノを壊す

・普段はおとなしいのに、飼い主さんが帰宅すると整理されていたものがグシャグシャ。

・ゴミ箱がひっくり返っている。

・クッションやソファから中綿がでるまで引き裂いてある。

自分の手足を舐め続ける、更には噛む続ける

分離不安以外でも退屈なのでクセのように手足を舐める犬もいます。

またストレスを感じたときにも手足を舐める犬もいます。

クセで手足を舐めていた犬が、ストレスを感じた時に舐めるとことを覚え、そのストレスの重症化によって分離不安になったので、手足をひたすら舐め続けているものと思われます。

最初はあまり気づかないと思いますが、ある日よく見てみると肉球が腫れているとか尻尾の先の毛がないと言う事もあります。

飼い主さんの外出がわかるといつもと違う行動をする

・飼い主さんが身支度をしていると、とにかく後ろについて歩く・吠え出す。

・ケージを噛む・おもちゃやクッションなどを噛み続ける。

・飼い主さんが玄関を出てからも暫く吠え続ける。

これらは独りになりたくないと言う思いからの行動です。

では、多頭飼いでは大丈夫なのかと言いますと、大丈夫とは言い切れません。

犬は群れで行動しているので、傍に同じ仲間がいれば寂しくないと思うのです。

でも傍にいて欲しいのが仲間ではなく飼い主さんの場合は、仲間が何頭いても飼い主さんが外出すると吠え続けます。

飼い主さんに執拗についてくる

飼い主さんが大好きで後からちょこちょこついてくるのはどこの犬も同じだと思います。

しかし分離不安の症状がある犬は、飼い主さんがどこへ行くのかと言う思いより独りぼっちになるのではと言う不安な思いからついて回ります。

我が家のトイプードルも私が階段を降りようとすると必ず後ろ足に飛び掛かりますし、椅子から立ち上がった瞬間に、昼寝をしていても飛び起きてついて来ます。

留守番中や飼い主さんが帰宅後に下痢、嘔吐、時には食欲が低下する

ここまでくると重症に近いようです。

下痢、嘔吐、食欲低下は人間で言うストレス性胃潰瘍と言ったところでしょうか?

人間だけではなく犬も強いストレスを感じるとこの様な症状になるのです。

留守中の不安や恐怖でストレスが溜まっているのですが、飼い主さんが帰宅するとそのストレスからは解放されますが、あまりにも緊張が長すぎて食欲が出ないのです。

それではこれらの症状の原因はどこから来るものなのでしょうか?

それは次の章で説明いたします。

分離不安になってしまう原因とはなに?

精神的疾患の原因は一つだけとは限らず、色んな要素が組み合わさっている場合もあります。

その中でも主な原因は次の通りです。

過去の経験や体験

・幼犬のときからずっと留守番することが多かった

・保護施設で育てられたり、ペットショップにいる期間が長く、飼い主さんがどの人かわからない状況にいた

・留守番をしている時、突然大きな物音が聞こえたり、地震など恐怖体験をしたことがある

このように幼犬の頃から、独りぼっちでいる寂しい体験をしてきたり、恐怖体験をした時に飼い主さんが不在だったことから、独りぼっちはもうイヤだと言う気持ちになるのでしょう。

環境の変化

引っ越し、大きなリフォーム、家族が増える、ペットホテルに預けられることが多くなった。

しかしこの様な状況に遭遇したら必ず分離不安になるワケではありません。

引っ越しをしても犬が慣れるまで飼い主さんや家族がいつもいるのであれば心配はありません。

家族が増えてもこれまで通りであれば問題はありません。

しかし家族が増えたことによって飼い主さんたちの気持ちが新たに増えた家族の方に行ってしまい、自分だけが蚊帳の外になってしまった時に分離不安が発症することがあります。

高齢に伴う五感の衰え

誰しも高齢になると耳が遠くなったり、視力が落ちてきます。

人間であれば補聴器や老眼鏡と言う手段もありますが、犬はそれが出来ません。

耳が遠くなると名前を呼ばれてもよく聞こえない、歩いていても飼い主さんの姿が見えにくくなり、臭覚だけを頼りに探してしまう。

この様な生活になると外部からの情報がめっきり減るので、孤独と不安を感じてしまい分離不安いなることがあります。

ずっと甘やかされてきた

これは珍しいかもしれませんが、原因の一つになるのです。

小さい頃から飼い主さんだけに限らず、いつも誰かがそばにいて遊んでくれた。

甘えん坊の性格を受け入れてもらっていた。

このような環境で育った犬が突然、毎日のようにお留守番をしなければならなくなった時は徐々に不安や恐怖を感じ、分離不安につながっていきます。

これらの原因の共通点は孤独感と恐怖心です。

対策次第で取り除くことができればいのですが、果たして簡単にできるでしょうか?


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分離不安を軽減させる、治す対策

短い時間の外出をする(外出を装う)これを繰り返す

最初はワンちゃんも一人ぼっちで動揺しますが飼い主さんが帰宅すればホッとするでしょう。

そのうち短いお留守番に慣れてきます。

少しずつ外出時間を長くしていき「飼い主さんは必ず帰ってくる、これが当たり前なんだ」と憶えさせましょう。

家にいる時もなるべく一緒にいないように心掛ける

家の中にいて姿が見えないが、飼い主さんの音はするという状況を作ります。

近寄ってきても構わないようにしたり、吠えてもすぐにそばに行かないようにします。

傍に行くのは静かになってからにしましょう。

これを繰り返すと、姿が見えなくなっても外出と思い込まなくなります。

できればお留守番時間を増やす方法と並行していくのがいいと思います。

外出することを極力気づかれないようにする

ワンちゃんに分かるように出かける準備をすると、犬は当然「置いていかれる」と気づきます。

ですので出かける1時間ほど前から極力ワンちゃんと接しないようにし、普段の行動に交えながら外出準備をしましょう。

そしてワンちゃんが「出かけるのかな?出かけないのかな?」と考えているあいだにそっと外出するようにします。

帰宅した時も今までずっと家にいたような態度で接するようにしましょう。

外出前に環境を整える

独りぼっちが原因である他に、恐怖体験も原因のひとつでした。

ですので出かける前に天候が悪くなりそうであったり、近所で工事の予定がある場合は、窓をしっかり閉めて雷が鳴っても少しでも遮音できるように工夫したり、怖かった場合に入れるドーム型のハウスを置いておくなどの工夫をしましょう。

留守番の時間を短く感じさせる工夫をする

外出する前にはたっぷりお散歩をさせるのも対策の一つです。

散歩好きのワンちゃんには少しだけの散歩だと、物足りなさと置いて行かれたと言う寂しさになってしまいますので長めにしたほうがいいですね。

飼い主さんとたっぷり楽しい時間を過ごしたらちょっと疲れたし、お昼寝でもしようと言う流れを作れば、飼い主さんも安心して外出が出来ます。

またワンちゃんは寂しい思いをあまり感じず、寝て過ごすことができます。

時間がない、或いは天気が悪くてお散歩には行けないと言う時は、ワンちゃんの好きそうなおもちゃを置いていきましょう。

特に知育玩具は飽きるまでに時間がかかるので、時間稼ぎにはなります。

ボールの中や、ゴムボールの凸凹の間にフードを挟んで与えると、ワンちゃん達は必死に取ろうとします。

これに奮闘し、フードが食べられる頃には心地よい疲労感が出てお昼寝タイムになります。

その他にも色んな知育玩具があるので、日替わりで与えるのもいいと思います。

重症化の場合は獣医さんと相談するのが一番

外出すると分かると吠える、外出を阻止する、帰宅すると部屋中が散乱・・・困りものです。

でも時にはお利口にしていたり、イタズラがエスカレートしていない場合は、まだ家庭で症状を軽くしたりすることができます。

しかしイタズラだけではなく、自傷行為にまで至った場合は、まずは獣医さんに相談しましょう。

内服薬が処方されると思いますが、これを服用して精神的に落ち着かせながら家庭で飼い主さんの姿が見えなくなっても必ず戻ってくることを憶えさせるトレーニングをさせます。

そうすれば精神的に安定し、自分は独りぼっちじゃないと理解できるようになっていきます。

まとめ

いかがでしたか。

一緒にいると時は元気に遊んでいるのに、飼い主さんや家族がいなくなると、いつもとは違う行動を起こすと言う場合は、不安分離を疑ったほうがいいようですね。

原因は過去の経験が大部分を占めるようで、独りぼっちで寂しい思いをすることが多かったとか、大きな音や衝撃で恐怖を感じる経験をしたなどです。

いずれにしても犬の心理は独りぼっちが怖いと言うことです。

生まれつき怖がりの犬もいるのですが、分離不安ではなくても対処は必要だと思います。

「飼い主さんがいないようだけどそのうち帰ってくる」「大きな音が聞こえたらドーム型のハウスに入れば安心だし、飼い主さんが来てくれるから安心」と憶えられるように教えて行けばきっと改善させるはずです。

我が家のトイプードルは私が近所まで行くだけで慌てて玄関まで追いかけてきましたが、短い外出の繰り返しをしていたら、玄関までは追う時もありますがパピヨンと一緒に大人しく待っていたり、最近では玄関にも来なくなることもしばしばです。

分離不安という症状は精神面が大きく影響しているので、短期間でよくなるものではありません。

気長に対処していけば少しずつですが軽減されていくのです。

飼い主さんも焦らず「今日は前回よりも散らかっていないぞ。その調子」と言う様に少しの進歩でも喜ぶようにしていけば、一緒に改善していけると思います。

そのうち気づけばお利口にお留守番ができるワンちゃんっていますよ。

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